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朝をつくる

by 中村菜月

日常を変えたいなとつよくつよく思う。
最近は暇があればアパートの情報サイトを眺めている。やってることが具体的である。できれば光の良く入るところがいい。

サイトを眺めては、この部屋でどんな朝がつくれるだろうかと無意識のうちに想像していたこと

気がついてはっとした。
普段、朝の印象が無い。そして気がつけば一日が終わる。

ずっと何かをしていたはずなのに何もできていないような日が続く。

大阪に行った日、浜松で偶然友達になったアヤノさんのアパートで、一泊お世話になった。
アヤノさんとの出会いはおもしろいよ。アヤノさんとは詩人の池田彩乃さんのこと。
彼女の詩集を買いに家を出たものの、着く頃にはもうお店、閉まってるなあと気がつく。
とぼとぼ、ふらっと立ち寄ったアートセンターでは、絵描き友達のクマくんがいつものように誰かと絵を囲んで語らっている。
その誰かさんがアヤノさんだった。
びっくりだよ!あなたの詩集を買いに、今日はでかけたんです、なんて、こんなはじめましてができるなんて。
お店にいくために出かけるのに、お店が閉まる時間に家をでるだなんて自分はほんとうにもう......
とあきれていたけど、そんなことなかったんだね。
こうやって会えたならまた会えると、すごく自然とその感覚に浸ることができた。
そして会えた。


大阪へ行った日。夜にはサラダを食べながら、引っ越しがしたいんだという話をうんうんときいてもらった。
こうやって夜に人と話がしたいな。そして眠りたい。

アヤノさんのアパートで目を覚ました日、その日は久しぶりに朝を体中に集めた。

じんわりと朝日を浴びながら
コーヒーのにおいに包まれながら
顔を洗って
着替えをして
夜のスーパーで買ったちょっとだけ特別そうなヨーグルトを食べた

ふたりで朝の淀川を歩いた。

雲一つ無い空のしたで
すすきが目一杯かがやいていたよ。
少しだけ冷たい空気を大きく吸い込んで
身体中で喜んだ。

気持ちがとびきりにぴかぴかで、うれしくてうれしくて仕方が無かった。

取って付けたような言葉だけど、すべてが美しく感じた。

こんなに気持ちの良い朝があるのだから生きるって素晴らしいよ。
自分は毎日気付けなかったよ。

自分にはこういう朝が必要だと思った。

わたしは朝をつくりたい。この日のような朝をつくりたい。忘れないようにしなくちゃ。

大阪の人たちはやさしかった。この事についてもまた書きたい。そしてまた近いうちに大阪へいきたい。どうもありがとうございました。



中村菜月
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