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by 中村菜月

きょうは久しぶりに空を見たような気がして、同時に、空という存在をすごく不思議に感じた。実際、空はまいにち見ているのに。

どうして空があるんだろうって考えたり、空気の中に住むということと水の中に住むということのちがいをなんとなく考えたりした。

空を初めて見たような気持ちになった。こういう「はじめて」の感覚になることがたまにある。

たとえばうたた寝をして、起きた時。自分が寝ている間に世界がいちどリセットされて新しくなってしまったような感覚に陥る。ちょっとこわくなる。

別に周りの何かが変わった訳ではない。何も変わっていない。自分の感覚だけがどこかふわふわとしている。
記憶喪失というわけではないけれど、自分自身がいままでどうやって毎日をすごしていたのかという実感を一時的に失ってしまう。

あしたもきのうも、頭の中にしかないのだから仕方が無いのかもしれない。それでも、実際に過ごしてきたいままでというものが不確かになってしまうのはやっぱり不思議で寂しい。

もしもひとりぼっちだったら、もちろんいろいろな面で生きてはいけないけど、こういう部分でもなにもわからなくなってしまうのかなって思った。
お互いの記憶を繋ぎ合わせて自分というものを確かにしている部分があると思う。わたしとあなたは、いったいどんな形なのかな。



中村菜月
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